マンガ『バーテンダー』(1)

最近(ここ数年?)、弟からマンガを借りて読むことが多い。
そんな中の一冊に『バーテンダー』というマンガがある。
スーパージャンプに連載中、単行本14巻まで発売中)

バーテンダー 1 (ジャンプコミックス デラックス)

バーテンダー 1 (ジャンプコミックス デラックス)

(ちなみにTVアニメもやってるらしい・・・)

世界的なカクテルコンテストで優勝したこともある天才バーテンダー・佐々倉溜(ささくらりゅう)は「神のグラス」とも呼ばれる一流のカクテルを作り出す腕の持ち主。彼がバーテンダーとしてお客様にサービスをしていく中で、様々な人々と出会い、時にはその人の人生を変えてしまうような感動を与えるというストーリーである。
一話読みきりがほとんどなので、とても読みやすい。

またバーやバーテンダー、またカクテルやその材料となるスピリッツ始め様々なお酒に詳しくなれるし、なにより「バーとは何のために、誰のためにあるものなんだろう」という素朴な疑問について考えさせてくれるストーリー展開がなかなかいい。
そんな『バーテンダー』からいくつか気に入ったシーンを紹介しよう。
(ネタバレの内容なので、まっさらな状態から読みたかったら、以下の内容は目をつぶって通り過ぎてください!)

〜〜『バーテンダー1巻』より〜〜
バーテンダーとは?】
佐々倉溜「ではまずクイズです。
世の中に絶対にお客様を裏切ってはいけない仕事がふたつあります。
ひとつは医師・薬剤師。ではもうひとつは?
・・・
バーテンダー
どちらも処方(レシピ)ひとつで、毒にも薬にもなるものを売っていますから」

(中略)

佐々倉溜「バーテンダーという言葉の意味をご存知ですか?」
疲れたホテルマン「バーテンダーの意味?」
佐々倉溜「バー=止まり木 テンダー=優しい
『優しい止まり木』という意味です。
この木がバー。これだけじゃ、ただ酒を置く板です。
でもそこにバーテンダーがいるから
バーにテンダー=優しさが生まれる」


【バーというのは・・・】
佐々倉溜「こういうバーは初めてですか?」
若い男性客「ああ・・前から一度入ってみたかったけど
あのドア・・・まるで『入ってくるな!』って主張しているみたいでさ。
あれを押す勇気なくって」
佐々倉溜「バーというのは『Hide out』ですから」
若い男性客「ハイドアウト?」
佐々倉溜「『ギャングの隠れ家』って意味です。
隠れ家だからこそ、バーの扉は重く、道行く人を拒むかのように
店名も小さく目立たない。
その代わりいったん中に入れば――
あの思い扉があるからこそ、お客様は安心して外の世界を忘れられる」
若い男性客「外の世界を・・・忘れる?」
佐々倉溜「ええ、肩書きや年齢やいろんなものを忘れて
本当の自分に向き合えるのかもしれません」
(中略=若い男性客がポケットにお金がないことに気付き、佐々倉溜がカクテルを振舞って慰めつつ、代金はツケにしてあげた後、男性客が帰る)
女性客「バーはあんなガキが来る場所じゃないわ」
佐々倉溜「最初から大人の人なんていません」
女性客「え・・・」
佐々倉溜「みんな、あの扉を押すたびに・・・
少しずつ大人になるんじゃないですか?」


【酒の味は変えるな】
佐々倉溜「どうぞ、『スーズ・ギムレット』でございます」
銀行マン「・・・ ゴクッ ・・・
この味!
スーズのかすかな苦味とライムの酸味が一体化して、奥深い甘ささえ感じる。
――思い出した!」
(中略=銀行マンの回想シーン。パリで仕事で苦しんでいた時に、昔の同僚がフランスの酒、スーズでも飲めと励ましてくれた話)
銀行マン「ああ・・・8年間ずっと忘れていたよ」
佐々倉溜「人は変わる。だから酒の味は変えるな。
そうすればお客様がバーに来た時、昔の自分に会える。
・・・亡くなったここのマスターの口癖だそうです」


〜〜〜〜〜〜

以上、詳細はぜひマンガを読んでいただきたいのだが、「う〜ん、なんか、ちょっと、ええ話や〜」って感じのストーリー展開が堪らんですな。
もちろん理想主義的な嫌いもあるが、マンガの世界だからそれは当然許されること。
むしろ客として、また将来バー(もちろんジャズバー)を開きたいと夢見ている若造として、僕はこのマンガで語られているような「哲学」みたいなものは持っていたいなと思う。


さて、早速バーテンダーグッズでも買って、とりあえずホームパーティー用に練習を始めようかな・・・w
将来バーをやるなら、カクテルの作り方くらい一通り知ってなきゃ、ってことで。
誰か、詳しい人がいたら教えて下さいm(_ _)m